ニンジンエキスとは?育毛剤に配合される成分の効果と特徴を解説

ニンジンエキスとは?育毛剤に配合される成分の効果と特徴を解説

育毛剤の成分表示を見ていると、「ニンジンエキス」という名前を目にすることがあります。

この成分が配合されている理由や、どのような働きが期待できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

ニンジンエキスは、育毛剤において頭皮の血流を改善する目的で配合される天然由来の成分です。

古くから健康維持に用いられてきた高麗人参から抽出されるこのエキスには、頭皮環境を整えるさまざまな働きが期待されています。

ニンジンエキスの効果と特徴
  • 高麗人参由来の天然成分で血行を促進する作用がある
  • 主成分ジンセノサイドが毛乳頭細胞の増殖や血管拡張をサポート
  • 頭皮の血流を改善し、毛根への栄養供給をサポート
  • 抗酸化・抗炎症作用で頭皮環境を健やかに保つ

育毛剤を選ぶ際には、配合されている成分の特徴を理解することが大切です。

ニンジンエキスは頭皮の血流を促進する働きが期待される成分として、多くの育毛関連製品に採用されています。

ただし、効果の感じ方には個人差があり、継続的な使用が必要になる点にも留意が必要です。

この記事でわかること
  • ニンジンエキスの原料と抽出方法
  • 育毛剤に配合される理由と期待される働き
  • ニンジンエキス配合の育毛剤を選ぶ際のポイント
  • 使用時の注意点や副作用の可能性
目次

ニンジンエキスは高麗人参から作られる天然由来の育毛成分

ニンジンエキスは、東アジアで古くから健康維持に用いられてきた高麗人参(学名:Panax ginseng)の根から抽出される成分です。

ここでは、ニンジンエキスの基本的な情報として、原料となる植物の特徴や抽出方法、そして育毛剤に配合される理由について説明します。

高麗人参は、ウコギ科に属する多年草で、主に中国や韓国などの東アジア地域で栽培されています。

根の形が人の姿に似ていることから「人参」という名前がつけられました。

通常、4〜6年間栽培された根が収穫され、それを蒸して乾燥させたものを紅参(こうじん)と呼びます。

この紅参から有効成分を抽出したものが、育毛剤などに使用されるニンジンエキスです。

抽出方法にはいくつかの種類がありますが、一般的には水やエタノールなどの溶媒を用いて、高麗人参に含まれる有効成分を取り出します。

抽出条件や方法によって、得られる成分の種類や濃度が変わることがあります。

ニンジンエキスの原料は高麗人参の根

高麗人参

高麗人参は学名をPanax ginsengといい、ウコギ科に属する植物です。

「Panax」という名前は、ギリシャ語で「すべてを癒す」という意味の「panacea(パナケア)」に由来しています。

高麗人参は中国、韓国、日本などで2000年以上にわたって伝統的に利用されてきた歴史があります。

高麗人参の根には、ジンセノサイドと呼ばれるサポニン類が豊富に含まれており、これが主要な有効成分とされています。

ジンセノサイドにはRb1、Rb2、Rc、Rd、Re、Rf、Rg1など多数の種類があり、それぞれ異なる生理活性を持つ可能性があります。

これらの成分の総称として、ジンセノサイドまたは高麗人参サポニンと呼ばれています。

高麗人参は栽培に時間がかかる植物で、通常4〜6年かけて育てられます。

年数を重ねるほど根が太く成長し、有効成分の含有量も変化します。

収穫後、蒸して乾燥させる加工を行ったものが紅参で、この処理によって一部のジンセノサイドが変化し、新たな成分が生成されることもあります。

育毛剤に配合されるのは血行促進作用があるため

ニンジンエキスが育毛剤に配合される主な理由は、頭皮の血流を促進する働きが期待されるためです。

髪の毛が健やかに成長するためには、毛根部分にある毛乳頭という組織に十分な栄養と酸素が供給される必要があります。

毛乳頭は毛根の最も深い部分にあり、毛細血管から栄養や酸素を受け取る重要な役割を担っています。

毛乳頭には豊富な毛細血管が存在し、これらの血管を通じて髪の成長に必要な栄養素が供給されます。

血流が不十分になると、毛根に届く栄養や酸素の量が減少し、髪の成長に影響を及ぼす可能性があります。

研究によれば、ニンジンエキスに含まれるジンセノサイドには、細胞の増殖を促進する働きや、血管を拡張させる作用が報告されています。

これらの働きにより、頭皮の血流が改善され、毛根への栄養供給がサポートされることが期待されています。

ただし、これらは主に動物実験や細胞実験での結果であり、人での効果については個人差があることを理解しておく必要があります。

サポニンやアミノ酸など複数の成分が含まれる

ニンジンエキスには、ジンセノサイドと呼ばれるサポニン類が主要成分として含まれています。

サポニンとは、植物に広く存在する配糖体の一種で、水に溶かすと泡立つ性質があります。

高麗人参から抽出されるジンセノサイドは、ダンマラン型と呼ばれる構造を持つトリテルペノイド系のサポニンです。

ジンセノサイドは、その化学構造によってプロトパナキサジオール型(PPD型)とプロトパナキサトリオール型(PPT型)に大きく分類されます。

これらのジンセノサイドは、それぞれ異なる生理活性を示す可能性が研究されています。

PPTとPPDの違いは、PPDのC-6位にカルボキシル基が存在することです[ 9、10 ] 。

引用:BioMed Central Pharmacology of ginsenosides: a literature review

ジンセノサイドのほかにも、ニンジンエキスにはアミノ酸、ペプチド、多糖類、ポリアセチレン化合物、脂肪酸など、さまざまな成分が含まれています。

これらの成分が複合的に作用することで、ニンジンエキス全体としての働きが生まれると考えられています。

育毛剤に配合される際は、ジンセノサイドの含有量や種類が製品によって異なる場合があります。

抽出方法や加工方法の違いにより、最終的な成分プロファイルが変わってくるためです。

ニンジンエキスは頭皮の血流を良くして髪の成長をサポートする

ニンジンエキスが育毛に期待される主な働きは、頭皮の血流改善を通じて髪の成長をサポートすることです。

ここでは、具体的にどのようなメカニズムで髪の成長に関わる可能性があるのかについて説明します。

髪の毛は、頭皮の下にある毛包という組織で作られています。

毛包の最も深い部分には毛乳頭と呼ばれる組織があり、ここには毛細血管が豊富に存在します。

この毛細血管を通じて、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根に供給されています。

研究によれば、ニンジンエキスに含まれるジンセノサイドには、毛乳頭細胞の増殖を促進する働きや、髪の成長に関わる成長因子の産生を促す可能性が報告されています。

また、細胞内のシグナル伝達経路に作用することで、髪の成長サイクルに影響を与える可能性も示唆されています。

ただし、これらの研究結果の多くは細胞実験や動物実験によるものです。

人での効果については個人差が大きく、すべての人に同じような効果が現れるわけではありません。

また、効果を感じるまでには数ヶ月単位の継続使用が必要とされています。

頭皮の血管を広げて血流を促す働きがある

ニンジンエキスに期待される重要な働きのひとつが、血管拡張作用です。

血管が拡張すると血流が増加し、より多くの栄養や酸素が組織に届きやすくなります。

髪の成長期(成長相、アナジェン)においては、毛包周囲の血管が発達し、活発な血管新生(新しい血管が形成されること)が起こることが知られています。

研究によれば、血管内皮増殖因子(VEGF)という成長因子が毛包周囲の血管形成を調節しており、髪の成長に重要な役割を果たしています。

ニンジンエキスの研究では、ジンセノサイドが細胞内のERK(細胞外シグナル調節キナーゼ)やAkt(プロテインキナーゼB)といったシグナル伝達経路を活性化することが報告されています。

したがって、紅参によるhDPCの増殖はERKシグナル伝達経路によって媒介されている可能性がある。AKTは細胞生存に重要なシグナルを媒介するだけでなく、抗アポトーシス分子としてDPCの生存を制御する。

引用:PubMed Central Red Ginseng Extract Promotes the Hair Growth in Cultured Human Hair Follicles

これらのシグナル伝達経路は、細胞の増殖や生存、血管新生などに関わる重要な経路です。

このような作用により、毛包周囲の血流が改善される可能性が示唆されています。

ただし、これらは主に細胞実験や動物実験による知見です。

ただし、血管拡張作用そのものが直接的に髪の成長を促すわけではなく、あくまで髪の成長に必要な環境を整える一要素と考えるのが適切です。

血流が良くなることで毛根に栄養が届きやすくなる

毛根の最も深い部分にある毛乳頭は、髪の成長において中心的な役割を果たす組織です。

毛乳頭には毛細血管が豊富に存在し、ここから栄養素や酸素が供給されます。

毛乳頭の周囲には毛母細胞と呼ばれる細胞があり、これらの細胞が活発に分裂することで髪の毛が作られていきます。

毛母細胞は体の中でも特に細胞分裂が活発な組織のひとつです。

そのため、大量のエネルギーと栄養素を必要とします。

血流が不十分だと、これらの細胞に十分な栄養が届かず、髪の成長が妨げられる可能性があります。

研究によると、ニンジンエキスは毛乳頭細胞の増殖を促進し、細胞の生存を助ける働きが報告されています。

Shinらはまた、Rg3がヒト真皮乳頭細胞の増殖を増加させ、それがVEGFのmRNAレベルの上昇と関連していることを実証しました。

引用:PubMed Central Hair-Growth Potential of Ginseng and Its Major Metabolites: A Review on Its Molecular Mechanisms

また、インスリン様成長因子-1(IGF-1)や血管内皮増殖因子(VEGF)といった成長因子の産生を促進する可能性も示されています。

これらの成長因子は、髪の成長に重要な役割を果たす物質です。

ただし、栄養供給の改善だけで髪の問題がすべて解決するわけではありません。

髪の成長には遺伝的要因、ホルモンバランス、頭皮環境、全身の健康状態など、多くの要因が複雑に関わっています。

頭皮を健やかに保つ働きも期待できる

ニンジンエキスには、血流改善以外にも頭皮環境を整える働きが期待されています。

健康な髪が育つためには、頭皮が清潔で適度な潤いを保ち、炎症などのトラブルがない状態を維持することが重要です。

研究では、ジンセノサイドに抗酸化作用や抗炎症作用がある可能性が報告されています。

Kimらは、ジンセノサイドRcはPI3K/Aktの活性化とAMPKおよびFoxO1のアセチル化の阻害を介してフォークヘッドボックスO(FoxO1)のリン酸化を調節し、HEK293細胞の酸化ストレス条件下でカタラーゼの上方制御につながることを発見した

引用:PubMed Central Pro-Resolving Effect of Ginsenosides as an Anti-Inflammatory Mechanism of Panax ginseng

抗酸化作用とは、活性酸素と呼ばれる細胞にダメージを与える物質の働きを抑える作用のことです。

頭皮も紫外線や外的刺激によって活性酸素が発生し、これが頭皮環境の悪化につながることがあります。

また、頭皮に炎症が起きると、かゆみや赤み、フケなどのトラブルが生じ、髪の成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。

ニンジンエキスの抗炎症作用により、このような頭皮トラブルを軽減できる可能性があります。

さらに、ニンジンエキスは細胞の老化を防ぐ働き(アンチエイジング効果)も研究されています。

これらの結果を総合すると、RGは肝細胞老化を阻害することで、老化抑制物質として有望な候補となり得ることが示唆されます。

引用:PubMed Central Red Ginseng Attenuates the Hepatic Cellular Senescence in Aged Mice

頭皮の細胞が健康な状態を保つことで、髪の成長をサポートする環境が整うと考えられています。

ただし、これらの作用についても、主に実験レベルでの研究結果であり、実際の育毛剤使用時にどの程度の効果が期待できるかは個人差が大きいことを理解しておく必要があります。

ニンジンエキス配合の育毛剤は他の成分もチェックして選ぶ

育毛剤を選ぶ際、ニンジンエキスが配合されているかどうかだけでなく、他にどのような成分が含まれているかも確認することが大切です。

育毛剤は複数の成分を組み合わせることで、さまざまな角度から頭皮環境にアプローチする設計になっていることが多いためです。

育毛剤には「医薬部外品」として販売されているものと、化粧品として販売されているものがあります。

医薬部外品の育毛剤には、厚生労働省が効果を認めた「有効成分」が一定濃度以上配合されています。

一方、化粧品の育毛関連製品は、頭皮や髪を健やかに保つことを目的としており、有効成分という表示はありません。

自分の頭皮の状態や悩みに合わせて、適切な成分が配合された製品を選ぶことが重要です。

また、使用感や香り、価格なども継続使用のしやすさに影響するため、総合的に判断することをおすすめします。

センブリエキスなど複数の有効成分が入っているものが多い

ニンジンエキス配合の育毛剤には、他の育毛関連成分も一緒に配合されていることが一般的です。

代表的な成分としては、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、酢酸DL-α-トコフェロールなどがあります。

代表的な配合成分と特徴

成分名主な由来期待される作用・特徴
センブリエキスリンドウ科センブリ末梢血管拡張による血行促進作用。医薬部外品の育毛有効成分として承認。
グリチルリチン酸ジカリウム甘草(カンゾウ)抗炎症作用により頭皮の赤みやかゆみを抑える。健やかな頭皮環境を保つ。
酢酸DL-α-トコフェロールビタミンE誘導体抗酸化作用と血行促進作用を併せ持ち、頭皮細胞の酸化を防ぐ。

センブリエキスは、リンドウ科の植物センブリから抽出される成分で、日本では医薬部外品の育毛有効成分として厚生労働省に承認されています。

センブリエキスもニンジンエキスと同様に、末梢血管を拡張して血行を促進する働きが期待されています。

両者を組み合わせることで、血行促進効果がより期待できる可能性があります。

グリチルリチン酸ジカリウムは、甘草(カンゾウ)という植物から抽出される成分で、抗炎症作用が期待されます。

頭皮の炎症を抑え、健やかな頭皮環境を保つ目的で配合されます。

酢酸DL-α-トコフェロールは、ビタミンE誘導体のひとつで、末梢血行促進作用や抗酸化作用が期待される成分です。

頭皮の血流を改善し、細胞の酸化を防ぐ働きがあるとされています。

これらの成分を複数配合することで、血行促進、抗炎症、抗酸化など、異なる角度から頭皮環境にアプローチできる設計になっています。

ただし、成分が多ければ良いというわけではなく、自分の頭皮の状態に合った成分が含まれているかどうかを確認することが大切です。

使い心地や香りなど続けやすさも重要

育毛剤は、一度使えばすぐに効果が現れるものではありません。

一般的に、効果を実感するまでには数ヶ月から半年程度の継続使用が必要とされています。

そのため、毎日使い続けやすい製品を選ぶことが重要です。

使用感については、液体のタイプや泡状のタイプ、ジェルタイプなど、さまざまな形状の育毛剤があります。

自分が使いやすいと感じるタイプを選ぶとよいでしょう。

各タイプの特徴
  • 液体タイプ:頭皮に直接塗布しやすく、多くの製品で採用されている
  • 泡状タイプ:頭皮全体に広がりやすく、マッサージしやすい
  • ジェルタイプ:狙った部分に留まりやすく、ピンポイントで使用しやすい

香りも継続使用のしやすさに影響します。

育毛剤の中には、アルコール成分を含むものが多く、アルコール特有の香りがするものもあります。

香りに敏感な方は、無香料タイプや自然な香りの製品を選ぶことを検討してください。

また、塗布後のベタつきや清涼感も使用感に影響します。

清涼感の強い製品は、スッキリした使用感が得られる一方、敏感肌の方には刺激になることもあります。

可能であれば、小さいサイズの製品や試供品で使用感を確認してから、本製品を購入することをおすすめします。

頭皮が乾燥しやすいか脂っぽいかで選び分ける

頭皮の状態は人によって異なり、乾燥しやすい方もいれば、皮脂の分泌が多く脂っぽくなりやすい方もいます。

自分の頭皮タイプに合った育毛剤を選ぶことで、より快適に使用できます。

頭皮タイプ別の育毛剤の選び方

頭皮タイプ選び方のポイント向いている成分・特徴
乾燥しやすい方保湿を重視し、アルコールが少ない製品を選ぶヒアルロン酸、グリセリン、植物性オイルなどの保湿成分
脂っぽくなりやすい方皮脂分泌を抑え、さっぱりした使用感の製品を選ぶ皮脂抑制成分・軽いテクスチャーの製品

頭皮が乾燥しやすい方は、保湿成分が配合された育毛剤を選ぶとよいでしょう。

ヒアルロン酸やグリセリン、植物性オイルなどの保湿成分が含まれている製品は、頭皮の乾燥を防ぎながら育毛ケアができます。

また、アルコール含有量が少ない製品を選ぶことも、乾燥を防ぐポイントです。

一方、頭皮が脂っぽくなりやすい方は、過剰な皮脂の分泌を抑える成分が配合された製品や、さっぱりとした使用感の製品が適しています。

また、頭皮にかゆみや赤みなどのトラブルがある場合は、まず皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。

炎症がある状態で育毛剤を使用すると、症状が悪化する可能性もあるためです。

頭皮の状態は季節や体調によっても変化することがあります。

自分の頭皮の状態を日頃から観察し、必要に応じて製品を見直すことも大切です。

ニンジンエキスは比較的安全だが肌に合わない場合もある

ニンジンエキスは天然植物由来の成分であり、一般的には安全性が高いとされています。

しかし、どのような成分でも、体質や肌の状態によっては合わない場合があります。

ここでは、ニンジンエキス配合の育毛剤を使用する際の注意点について説明します。

育毛剤を使用して何らかの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。

特に、頭皮に赤みやかゆみ、腫れなどの症状が現れた場合は、アレルギー反応や刺激性の接触皮膚炎の可能性があります。

また、育毛剤の効果には個人差があり、すべての人に同じような効果が現れるわけではありません。

数ヶ月使用しても改善が見られない場合や、薄毛が進行している場合は、医療機関で専門的な診断を受けることも検討してください。

重大な副作用の報告は少ないが赤みやかゆみが出ることもある

ニンジンエキスは、化粧品や医薬部外品に長年使用されてきた実績があり、重大な副作用の報告は少ない成分です。

しかし、使用する人の体質や肌の状態によっては、軽度の皮膚反応が起こる可能性があります。

最も多く報告される症状は、使用部位の赤みやかゆみです。

よくある症状と対応の目安

症状の例原因の可能性対応の目安
赤み・かゆみニンジンエキスまたは他成分(アルコール・防腐剤など)への反応軽度で一時的なら様子を見る。持続・悪化する場合は使用中止。
ほてり・軽いかゆみ血行促進による一時的な反応一時的なら問題なし。不快が続く場合は使用量を減らすか中止。
発疹・乾燥・フケ増加製品が肌に合っていない使用を中止し、必要に応じて皮膚科を受診。

これらの症状は、成分そのものに対する反応の場合もあれば、育毛剤に含まれる他の成分(アルコールや防腐剤など)に反応している可能性もあります。

症状が軽度で一時的なものであれば、使用を続けても問題ない場合もありますが、症状が持続したり悪化したりする場合は使用を中止してください。

また、育毛剤を使用すると、血行が促進されることで一時的に頭皮がほてったり、軽いかゆみを感じたりすることがあります。

これは血行促進に伴う正常な反応である可能性もありますが、不快な症状が続く場合は、使用量を減らすか、使用を中止することを検討してください。

まれに、使用部位にブツブツとした発疹が出たり、頭皮が乾燥してフケが増えたりすることもあります。

このような症状が現れた場合は、製品が肌に合っていない可能性が高いため、使用を中止してください。

植物アレルギーがある方は使用前にパッチテストを

ニンジンエキスは高麗人参という植物から抽出される成分です。

そのため、植物性の成分に対してアレルギー体質の方は、使用前に注意が必要です。

ウコギ科の植物やキク科の植物にアレルギーがある方は、高麗人参に対してもアレルギー反応を起こす可能性があります。

また、過去に植物由来の化粧品や育毛剤で肌トラブルを経験したことがある方も、注意が必要です。

初めて使用する育毛剤については、本格的に使用する前にパッチテストを行うことをおすすめします。

パッチテストは、二の腕の内側など目立たない部分に少量の製品を塗布し、7〜10日間様子を見る方法です。

この間に赤みやかゆみ、発疹などの症状が現れなければ、頭皮に使用しても問題ない可能性が高いといえます。

ただし、パッチテストで問題がなくても、頭皮は体の他の部分よりも敏感な場合があるため、最初は少量から使用を開始し、様子を見ながら徐々に通常の使用量に増やしていくとよいでしょう。

アトピー性皮膚炎など、もともと肌が敏感な方は、使用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

効果を実感するには数ヶ月の継続使用が必要

育毛剤の効果は、使用してすぐに現れるものではありません。

髪の成長サイクルを考えると、効果を実感するまでには最低でも3〜6ヶ月程度の継続使用が必要とされています。

髪の毛には成長期(アナジェン)、退行期(カタジェン)、休止期(テロジェン)という成長サイクルがあります。

髪の成長サイクルの流れ
  • 成長期(アナジェン):髪が伸び続ける期間(約2〜6年)
  • 退行期(カタジェン):髪の成長が止まり、毛根が縮む期間(約2週間)
  • 休止期(テロジェン):髪が抜け落ち、新しい毛が生えるまでの休止期間(約3〜4ヶ月)

頭髪の成長期は通常2〜6年続き、その後2週間程度の退行期を経て、3〜4ヶ月の休止期に入ります。

そして再び成長期が始まり、新しい髪が生えてきます。

育毛剤は、このサイクルを正常化したり、成長期を延長したりすることを目的としています。

しかし、今休止期にある毛根が成長期に移行するまでには時間がかかるため、すぐに目に見える変化が現れるわけではありません。

また、個人差も大きく、早い人では2〜3ヶ月で何らかの変化を感じることもあれば、6ヶ月以上使用しても明確な効果を実感できない場合もあります。

年齢、薄毛の進行度、生活習慣、遺伝的要因などによって、効果の現れ方は異なります。

育毛剤の使用を途中でやめてしまうと、それまでの努力が無駄になってしまう可能性があります。

少なくとも3〜6ヶ月は継続して使用し、その間の変化を観察することが大切です。

ただし、明らかに症状が悪化している場合や、頭皮トラブルが続く場合は、継続使用にこだわらず、医療機関を受診してください。

よくある質問(FAQ)

ニンジンエキスはすべての育毛剤に入っていますか?

いいえ、ニンジンエキスはすべての育毛剤に配合されているわけではありません。

育毛剤には様々な成分が使用されており、製品によって配合成分は異なります

成分表示を確認して、ニンジンエキスが含まれているかどうかをチェックしてください。

ニンジンエキス配合の育毛剤はどのくらいで効果を感じられますか?

個人差がありますが、一般的には3〜6ヶ月程度の継続使用で何らかの変化を感じる可能性があるとされています。

髪の成長サイクルを考慮すると、短期間での劇的な変化は期待しにくいため、継続的な使用が重要です。

ニンジンエキスは医薬品成分ですか?

ニンジンエキス自体は医薬品成分ではなく、化粧品や医薬部外品に配合される成分です。

医薬品として承認されている発毛剤とは異なり、あくまで頭皮環境を整えることを目的とした成分と考えてください。

敏感肌でもニンジンエキス配合の育毛剤は使えますか?

ニンジンエキスは比較的安全性が高い成分ですが、敏感肌の方は使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。

また、製品に含まれる他の成分(アルコールや香料など)にも注意が必要です。

敏感肌の方は、無香料タイプやアルコール含有量が少ない製品を選ぶことをおすすめします。

心配な場合は、医師や薬剤師に相談してください。

ニンジンエキスと他の育毛成分を併用しても問題ありませんか?

多くの育毛剤は、ニンジンエキスと他の育毛成分を組み合わせて配合しています。

ただし、複数の育毛剤を同時に使用することは、過度な重ね使いによる肌トラブル(刺激や感作)のリスクがあるため、おすすめできません。

一つの製品を継続して使用することが基本です。

まとめ

ニンジンエキスは、高麗人参から抽出される天然由来の成分で、育毛剤に広く使用されています。

頭皮の血流を促進し、毛根への栄養供給をサポートする働きが期待されることから、多くの育毛関連製品に採用されています。

主成分であるジンセノサイドには、毛乳頭細胞の増殖を促進したり、血管拡張作用を示したりする可能性が研究されています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用により、頭皮環境を整える働きも期待されています。

ただし、これらの効果には個人差があり、すべての人に同じような結果が得られるわけではありません。

育毛剤を選ぶ際は、ニンジンエキスだけでなく、他の配合成分や使用感、価格なども総合的に考慮することが大切です。

また、効果を実感するには数ヶ月の継続使用が必要であることを理解しておきましょう。

ニンジンエキスは比較的安全性の高い成分ですが、まれに肌に合わない場合もあります

使用中に赤みやかゆみなどの症状が現れた場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。

育毛剤は、あくまで頭皮環境を整えることを目的とした製品です。

すでに薄毛が進行している場合や、育毛剤では改善が見られない場合は、医療機関で専門的な診断と治療を受けることも検討してください。

自分の髪と頭皮の状態に合ったケアを続けることが、健やかな髪を保つための第一歩となります。

参考文献・参考サイト

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European Commission Ingredient: PANAX GINSENG ROOT EXTRACT

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