ニコチン酸アミドとは?育毛剤に入っている成分の効果をわかりやすく解説

ニコチン酸アミドとは?育毛剤に入っている成分の効果をわかりやすく解説

育毛剤を選ぶとき、成分表示を見て「ニコチン酸アミド」という名前を目にしたことはありませんか。

タバコと関係があるのではないか、どんな効果があるのか、本当に安全なのかと不安に感じる方もいるでしょう。

育毛剤の成分について正しく理解することは、自分に合った製品を選ぶ上でとても大切です。

この記事では、育毛剤によく配合されているニコチン酸アミドについて、医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。

ニコチン酸アミドの効果と特徴
  • ビタミンB3の一種で体内のエネルギー代謝に必須の栄養素
  • 頭皮の血行を促進して毛母細胞に酸素や栄養を届ける
  • 皮膚バリア機能を強化しセラミド産生を促進する
  • DKK-1の発現を抑制し髪の成長期を長く保つ可能性がある
  • 抗炎症作用により頭皮のフケやかゆみにも働きかける

ニコチン酸アミドは、実はビタミンB3の一種で、体にとって必要な栄養素です。

タバコのニコチンとは全く別の物質であり、多くの育毛剤で医薬部外品の有効成分として使用されています。

この成分は、頭皮の血行を促進し、髪を作る細胞に栄養を届けやすくする働きがあることが研究で示されています。

この記事でわかること
  • ニコチン酸アミドの正体と安全性
  • 髪の成長を助ける仕組み
  • 育毛剤を選ぶときの具体的なポイント
  • 使用する際の注意点
目次

ニコチン酸アミドは頭皮の血行を良くするビタミン成分

ニコチン酸アミド

ニコチン酸アミドは、ビタミンB群に属する水溶性の栄養素です。

別名「ナイアシンアミド」や「ニコチンアミド」とも呼ばれ、体内で重要な役割を果たしています。

育毛剤に配合される理由は、頭皮の血行を促進する働きがあるためです。

髪の成長には十分な血流が欠かせません。

血液は酸素や栄養素を運ぶ役割を持っており、頭皮の血行が良くなることで、髪を作る毛母細胞に必要な栄養が届きやすくなります。

名前に「ニコチン」という言葉が含まれているため、タバコと関係があるのではないかと心配される方も多いのですが、実際には全く異なる物質です。

化学構造も作用も異なり、タバコの有害性とは無関係です。

また、ニコチン酸アミドは日本国内で医薬部外品の有効成分として認められており、長年にわたって多くの育毛剤に使用されてきた実績があります。

ビタミンB群の一種で体に必要な栄養素

ニコチン酸アミド

ニコチン酸アミドはビタミンB3(ナイアシン)の一形態として、私たちの体にとって欠かせない栄養素です。

体内では、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)という補酵素の材料として使われます。

NADは細胞内のエネルギー代謝に関わる非常に重要な物質で、食べ物から得た栄養をエネルギーに変換する過程で活躍します。

人間の体内には400種類以上の酵素がNADを必要としており、これはビタミン由来の補酵素の中で最も多い数です。

NAD +は人体において最も豊富な分子の一つであり、約500種類の酵素反応に必要であり、平均的な人体には約3グラム存在します。

引用:PubMed Central Therapeutic potential of NAD-boosting molecules: the in vivo evidence

NADは炭水化物、脂肪、タンパク質といった栄養素をエネルギーに変える代謝反応や、細胞の健康維持、遺伝子の働きを調整する機能など、多岐にわたる生命活動に関与しています。

通常、ニコチン酸アミドは肉類、魚類、ナッツ類、穀物などさまざまな食品に含まれています。

また、体内ではトリプトファンというアミノ酸からもニコチン酸アミドを作ることができます。

健康な人であれば、バランスの取れた食事を摂ることで、日常生活に必要なニコチン酸アミドを十分に得ることができます。

タバコのニコチンとは全く別の成分

ニコチン酸アミドという名前から、タバコに含まれる有害なニコチンを連想する方がいらっしゃいますが、これは大きな誤解です。

名前が似ているだけで、両者は化学構造も性質も全く異なる別の物質です。

タバコのニコチンは、タバコの葉に含まれるアルカロイドと呼ばれる化合物で、神経系に作用して依存性を引き起こす物質です。

一方、ニコチン酸アミドはビタミンB3として分類される水溶性ビタミンで、体の正常な機能を維持するために必要な栄養素です。

依存性はありませんし、タバコのような有害性もありません。

これらの研究で使用されたニコチンアミドの用量も、ニコチンの半数致死量 (LD50) よりも数倍高く、ニコチンアミドには nAChR を介した刺激作用や毒性作用がないことを示唆しています6 - 9。

引用:PubMed Central Marketing of nicotinamide as nicotine replacement in electronic cigarettes and smokeless tobacco

両者の名前が似ている理由は、歴史的な経緯によるものです。

ニコチン酸が最初に発見されたとき、化学的にタバコのニコチンから合成できたため、この名前がつけられました。

しかし、その後の研究で、ニコチン酸やニコチン酸アミドがビタミンとして重要な働きをすることがわかり、現在では栄養学や医学の分野で広く使われる成分となっています。

育毛剤では医薬部外品の有効成分として認められている

日本では、ニコチン酸アミドは医薬部外品の有効成分として厚生労働省に承認されています。

医薬部外品とは、医薬品ほど強い作用はないものの、一定の効果が認められた成分を含む製品のことです。

育毛剤の場合、「脱毛の防止」や「育毛」「養毛」といった効能効果を表示することが認められています。

有効成分として認められるためには、その成分の安全性と有効性について、科学的なデータに基づいた審査を通過する必要があります。

ニコチン酸アミドは長年の使用実績があり、適切に使用すれば安全性が高いと判断されています。

そのため、多くの育毛剤メーカーが製品に配合しているのです。

育毛剤の成分表示を見ると、「有効成分」として明記されている場合があります。

これは、その成分が医薬部外品として認められた効果を持つことを意味します。

ニコチン酸アミドのほかにも、センブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムなど、複数の有効成分が一緒に配合されていることが多く、それぞれが異なる角度から頭皮環境を整え、髪の成長をサポートします。

ニコチン酸アミドは血の巡りを良くして髪に栄養を届ける

ニコチン酸アミドが育毛に役立つ主な理由は、頭皮の血行を促進する作用にあります。

髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂を繰り返すことで成長しますが、この細胞が活発に働くためには、血液によって運ばれる酸素や栄養素が不可欠です。

頭皮の血流が悪いと、毛母細胞に十分な栄養が届かず、髪が細くなったり、成長が遅くなったりする可能性があります。

ニコチン酸アミドは医薬部外品の育毛剤において血行促進成分として位置づけられており、頭皮環境を整える働きが期待されています。

また、酸化ストレスから細胞を保護する作用や、髪の成長サイクルを正常に保つ働きも報告されています。

これらの複合的な効果により、健やかな髪の成長をサポートする可能性があると考えられています。

ただし、髪の悩みの原因は人それぞれ異なります。

遺伝的要因、ホルモンバランス、ストレス、栄養不足、頭皮の状態など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

ニコチン酸アミドはそうした要因のひとつである血行不良にアプローチする成分ですが、すべての人に同じように効果が現れるわけではありません。

頭皮の血行を促す働きがある

ニコチン酸アミドは、育毛剤において血行を促す成分として配合されています。

頭皮の血行が良好に保たれることで、毛根に酸素や栄養素が届きやすくなると考えられています。

頭皮には細かい毛細血管が網の目のように張り巡らされています。

これらの血管を通じて、毛根に酸素や栄養素が供給されます。

しかし、加齢やストレス、生活習慣などによって血流が滞ると、毛根への栄養供給が不十分になる可能性があります。

ニコチン酸アミドを含む育毛剤を頭皮に塗布することで、局所的に血流を改善し、毛根の環境を整えることが期待されます。

ただし、血流の改善だけで髪の成長が劇的に変わるわけではなく、他の要因も含めた総合的なアプローチが重要です。

髪を作る細胞が元気に働きやすくなる

髪の毛は、毛根の最深部にある毛乳頭という組織の周りにある毛母細胞が分裂を繰り返すことで成長します。

毛母細胞は人間の体の中でも特に活発に分裂する細胞のひとつで、それだけ多くのエネルギーと栄養素を必要とします。

培養細胞を用いた研究によると、ニコチン酸アミドは毛乳頭細胞の働きにいくつかの影響を与える可能性が示されています。

例えば、培養したヒト毛乳頭細胞にニコチン酸アミドを加えた実験では、酸化ストレスによるダメージから細胞を保護する効果が観察されました。

酸化ストレスとは、活性酸素と呼ばれる不安定な分子が細胞を傷つける現象で、老化や様々な健康問題に関与していると考えられています。

また、同研究では、ニコチン酸アミドがDKK-1という物質の発現を抑制することが報告されています。

ナイアシンアミドは、退行期を誘導することで毛包の退縮を促進するDKK-1のタンパク質発現レベルを低下させた。

引用:PubMed Niacinamide Down-Regulates the Expression of DKK-1 and Protects Cells from Oxidative Stress in Cultured Human Dermal Papilla Cells

DKK-1は髪の成長期を終わらせて退行期に移行させる働きを持つため、その発現が抑えられることで、髪が健やかに成長する期間が長く保たれる可能性があります。

さらに、一部の研究では、ニコチン酸アミドが皮膚の角質層におけるタンパク質合成を促進する可能性が指摘されています。

髪の主成分はケラチンであり、その合成が活発になることは、丈夫で健康な髪の成長につながると考えられます。

頭皮環境を整えてフケやかゆみにも働きかける

健やかな髪の成長には、清潔で健康な頭皮環境が欠かせません。

頭皮にトラブルがあると、髪の成長が妨げられることがあります。

ニコチン酸アミドには、頭皮の健康を保つ上で役立つ可能性のある働きがいくつかあります。

まず、ニコチン酸アミドは皮膚のバリア機能を強化する作用があるとされています。

皮膚のバリア機能とは、外部からの刺激や乾燥から皮膚を守る働きのことです。

ニコチン酸アミドはセラミドという脂質の産生を促進し、皮膚の水分保持能力を高めることが研究で示されています。

ニコチンアミドの局所塗布は、角質層のセラミドおよび遊離脂肪酸のレベルを増加させ、乾燥肌における経表皮水分蒸散を減少させた。

引用:Wiley Online Library Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier

頭皮が適度に潤っていることは、フケや乾燥によるかゆみを防ぐ上で重要です。

また、ニコチン酸アミドには抗炎症作用があることも報告されています。

頭皮の炎症は、かゆみや赤み、フケの原因となるだけでなく、髪の成長サイクルにも悪影響を与える可能性があります。

炎症を抑えることで、頭皮環境を整え、髪が健やかに成長しやすい状態を保つことが期待できます。

ただし、フケやかゆみの原因は多岐にわたり、真菌の増殖、皮脂の過剰分泌、乾燥、アレルギー反応など様々です。

原因によって適切な対処法は異なるため、症状が強い場合や長く続く場合は、皮膚科の医師に相談することをお勧めします。

ニコチン酸アミド入り育毛剤は有効成分の量と他の成分を確認して選ぶ

育毛剤を選ぶ際には、ニコチン酸アミドが配合されているかどうかだけでなく、その配合量や他の有効成分との組み合わせにも注目することが大切です。

医薬部外品の育毛剤には、複数の有効成分が配合されていることが多く、それぞれが異なる角度から頭皮環境を整え、髪の成長をサポートします。

自分の頭皮の状態や悩みに合わせて、適切な製品を選ぶことが重要です。

また、育毛剤の効果を実感するためには、継続的な使用が欠かせません。

髪の成長サイクルは数ヶ月から数年という長い期間で進むため、短期間では変化が分かりにくいこともあります。

製品の使用方法を守り、根気強く続けることが大切です。

さらに、育毛剤の使用と合わせて、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理など、生活習慣全体を見直すことも、髪の健康には重要です。

有効成分として表示されているか確認する

育毛剤を購入する際は、まず製品のパッケージや説明書を確認しましょう。

医薬部外品の場合、「有効成分」という欄に、その製品の効果を支える主要な成分が記載されています。

ニコチン酸アミドが有効成分として表示されていれば、医薬部外品として一定の配合量が含まれていることを意味します。

有効成分とそれ以外の成分(その他の成分)は明確に区別して表示されています

有効成分は、その育毛剤が謳う効能効果の根拠となる成分です。

一方、その他の成分には、保湿剤、防腐剤、香料など、製品の使い心地や品質を保つための成分が含まれます。

配合量については、医薬部外品の場合、具体的な数値が記載されていないこともあります。

これは、承認された範囲内(例:0.1〜5%)で配合されていることが前提となっているためです。

もし配合量について詳しく知りたい場合は、メーカーのウェブサイトや問い合わせ窓口で確認することもできます。

センブリエキスなど他の有効成分と一緒に入っているとより期待できる

多くの育毛剤には、ニコチン酸アミド以外にも複数の有効成分が配合されています。

代表的なものとして、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、パントテニールエチルエーテル、酢酸トコフェロールなどがあります。

これらの成分はそれぞれ異なる働きを持ち、組み合わせることで多角的なアプローチが可能になります。

主な有効成分と特徴

成分名主な作用期待できる効果
センブリエキス血行促進頭皮の血行を促進し、毛根への栄養供給をサポート
グリチルリチン酸ジカリウム抗炎症頭皮の炎症や赤みを抑え、健やかな頭皮環境を維持
パントテニールエチルエーテル細胞活性化毛母細胞の働きを促進し、髪の成長を助ける
酢酸トコフェロール抗酸化・血行促進活性酸素から頭皮を守り、血流を改善

センブリエキスは、日本に自生するセンブリという植物から抽出される成分で、古くから民間薬として使われてきました。

育毛剤において血行促進成分として位置づけられており、頭皮環境を整える働きが期待されます。

グリチルリチン酸ジカリウムは、抗炎症作用を持つ成分で、頭皮の炎症を抑え、健やかな頭皮環境を保つのに役立ちます。

パントテニールエチルエーテルは、ビタミンB5(パントテン酸)の誘導体で、毛母細胞の働きを活性化する作用があるとされています。

酢酸トコフェロールは、ビタミンEの一種で、抗酸化作用があり、頭皮の血行を促進する働きも持っています。

これらの有効成分が組み合わされることで、血行促進、抗炎症、細胞活性化、抗酸化など、様々な角度から頭皮環境を整え、髪の成長をサポートすることが期待できます。

自分の頭皮の状態や悩みに合わせて、どのような有効成分が配合されているかを確認すると良いでしょう。

毎日続けて使うことが大切

育毛剤の効果を実感するためには、継続的な使用が非常に重要です。

髪の成長サイクルは、成長期(2〜6年)、退行期(2〜3週間)、休止期(数ヶ月)という3つの段階を繰り返しています。

現在目に見えている髪は成長期にある毛髪で、頭皮の下では次の髪が準備されています。

育毛剤の効果が現れるまでには、最低でも6〜12ヶ月程度の継続使用が必要とされています。

これは、髪の成長サイクルに合わせた期間です。

短期間の使用では、まだ休止期にある毛根には影響が及んでいない可能性があります。

また、成長期に入った髪が目に見える長さまで伸びるにも時間がかかります。

使用方法を守ることも大切です。

育毛剤の正しい使用ポイント
  • 1日1〜2回、適量を頭皮に塗布する
  • 指の腹でやさしくマッサージする
  • 塗布量を増やしても効果は高まらない
  • 製品の説明書に記載された方法を守る

多くの育毛剤は、1日1〜2回、適量を頭皮に塗布し、指の腹で優しくマッサージすることが推奨されています。

塗布量が多すぎても効果が高まるわけではなく、かえって頭皮のべたつきや不快感につながることがあります。

製品の説明書に記載された使用方法を守りましょう。

また、育毛剤を使っているからといって、生活習慣を疎かにしてよいわけではありません。

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理なども、髪の健康には欠かせません。

育毛剤はあくまでも補助的な役割であり、総合的なアプローチが重要です。

ニコチン酸アミドは安全性の高い成分だが肌に合わない場合もある

ニコチン酸アミドは、長年にわたって多くの化粧品や医薬部外品に使用されてきた成分で、適切に使用すれば安全性は高いと考えられています。

しかし、どんな成分でも、個人の体質や肌の状態によっては合わない場合があります。

特に敏感肌の方や、過去に化粧品でトラブルを経験したことがある方は、使用前にパッチテストを行うなど、慎重に試すことをお勧めします。

もし育毛剤を使用して何らかの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、必要に応じて医師や薬剤師に相談してください。

軽い刺激感であれば一時的なものかもしれませんが、赤みやかゆみ、腫れなどの症状が現れた場合は、アレルギー反応や刺激性皮膚炎の可能性があります。

自己判断で使用を続けると、症状が悪化することもあるため、専門家の意見を聞くことが大切です。

長年使われている実績があり基本的に安心して使える

ニコチン酸アミドは、医薬部外品の有効成分として日本国内で承認されており、多くの育毛剤や化粧品に配合されています。

医薬部外品として承認されるためには、その成分の安全性と有効性について、科学的なデータに基づいた審査を通過する必要があります。

ニコチン酸アミドはこの審査を通過し、長年にわたって使用されてきた実績があります。

また、ニコチン酸アミドはビタミンB3として食品にも含まれる栄養素であり、適切な量であれば体に害を及ぼすものではありません。

育毛剤や化粧品に配合される量は、安全性が確認された範囲内に設定されています。

大規模な臨床試験や市販後の使用経験から、重篤な副作用の報告は稀とされています。

しかし、大規模な後ろ向きコホート研究では、ニコチンアミドに曝露された患者においてMACEのリスク増加は認められませんでした。

引用:DermNet (New Zealand Dermatological Society) Nicotinamide

ただし、「安全性が高い」ということと「すべての人に問題が起こらない」ということは同じではありません。

どんなに安全性の高い成分でも、体質や肌の状態によっては合わない場合があります。

特に初めて使用する製品については、少量から試すなど、慎重に様子を見ることが推奨されます。

赤みやかゆみが出たら使用を中止する

育毛剤を使用していて、頭皮に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、腫れ、発疹などの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止してください。

これらの症状は、成分に対するアレルギー反応や、刺激性による皮膚炎の可能性があります。

症状が軽い場合でも、使用を続けることで悪化することがあります。

まずは使用を中止し、頭皮を清潔に保ちながら様子を見ましょう。

症状が数日経っても改善しない場合や、症状が強い場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。

医師は頭皮の状態を診察し、適切な治療や今後のケア方法についてアドバイスしてくれます。

また、育毛剤にはニコチン酸アミド以外にも様々な成分が含まれています。

アレルギー反応や刺激の原因が必ずしもニコチン酸アミドとは限りません。

アルコール、香料、防腐剤、他の有効成分など、様々な成分が原因となる可能性があります。

どの成分に反応したかを特定するのは難しいため、症状が出た製品の成分表示を記録しておくと、次回製品を選ぶ際の参考になります。

敏感肌の人や妊娠中の人は医師に相談してから使う

敏感肌の方は、化粧品や医薬部外品を使用する際に特に注意が必要です。

通常は問題のない成分でも、肌のバリア機能が低下している状態では刺激を感じやすくなることがあります。

使用前に注意したいポイント
  • 成分表示を確認し、刺激になりやすい成分を避ける
  • 初めて使う場合はパッチテストを行う
  • 異常を感じたらすぐに使用を中止する
  • 妊娠中や授乳中は、医師や薬剤師に相談してから使用する

育毛剤を使用する前に、パッチテストを行うことをお勧めします。

パッチテストは、製品を使用する前に、少量を腕の内側など目立たない部分に塗布し、24〜48時間様子を見る方法です。

もしその部分に赤みやかゆみなどの反応が現れたら、その製品は使用しない方が良いでしょう。

反応が出なくても、実際に頭皮に使用した際には反応が出る可能性もあるため、最初は少量から試し、様子を見ながら使用することが大切です。

妊娠中や授乳中の方は、使用する製品について特に慎重になる必要があります。

ニコチン酸アミド自体はビタミンB3として食品にも含まれる栄養素ですが、外用の育毛剤として妊娠中・授乳中に使用する場合の安全性については、十分なヒトでの研究データが限られています

使用を検討している製品がある場合は、産婦人科の医師に相談し、使用の可否について判断を仰ぐことをお勧めします。

また、他の薬を服用している方や、何らかの病気で治療を受けている方も、育毛剤を使用する前に医師や薬剤師に相談することが望ましいです。

特に皮膚疾患がある場合は、その治療が優先されるべきであり、育毛剤の使用によって症状が悪化する可能性もあります。

よくある質問

ニコチン酸アミド配合の育毛剤について、多くの方が疑問に思う点をまとめました。

ニコチン酸アミドはタバコのニコチンと関係がありますか?

ニコチン酸アミドとタバコのニコチンは、名前が似ているだけで全く別の物質です。

ニコチン酸アミドはビタミンB3の一種で、体に必要な栄養素であり、タバコのような有害性や依存性はありません。

効果が出るまでどのくらいかかりますか?

個人差がありますが、一般的には6〜12ヶ月程度の継続使用が推奨されています。

髪の成長サイクルに合わせて効果が現れるため、短期間での判断は難しい場合があります。

男性用と女性用で違いはありますか?

ニコチン酸アミド自体に性別による違いはありません。

ただし、男性と女性では髪の悩みの原因や頭皮の特性が異なることがあるため、製品によっては性別に応じた処方がなされている場合があります。

他の育毛成分と併用しても大丈夫ですか?

多くの育毛剤には複数の有効成分が配合されており、相乗効果が期待できる場合があります。

ただし、異なる育毛剤を同時に使用する場合は、成分の重複や相互作用に注意が必要です。

ミノキシジルなど医薬品の育毛剤とどう違いますか?

ミノキシジルは医薬品として承認されており、ニコチン酸アミドを含む医薬部外品よりも強い効果が期待できる反面、副作用のリスクも高くなります。

医薬部外品は穏やかな作用で、日常的なケアに適しています。

まとめ

ニコチン酸アミドは、ビタミンB3の一種として体に必要な栄養素であり、育毛剤に配合される際は血行促進成分として位置づけられており、頭皮環境を整えて髪の成長をサポートする働きが期待されています

また、ニコチン酸アミドは皮膚バリア機能を強化し、抗炎症作用を持つことが研究で示されており、頭皮環境を整える上でも役立つ可能性があります。

タバコのニコチンとは全く別の物質であり、医薬部外品の有効成分として長年の使用実績があります。

育毛剤を選ぶ際は、ニコチン酸アミドが有効成分として表示されているかを確認し、他の有効成分との組み合わせにも注目しましょう。

センブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムなど、複数の有効成分が配合されている製品は、多角的なアプローチが期待できます。

効果を実感するためには、最低でも6〜12ヶ月程度の継続使用が推奨されています。

製品の使用方法を守り、根気強く続けることが大切です。

また、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、生活習慣全体を見直すことも、髪の健康には重要です。

ニコチン酸アミドは安全性の高い成分ですが、個人の体質によっては肌に合わない場合もあります。

使用して赤みやかゆみなどの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、必要に応じて医師に相談してください。

敏感肌の方や妊娠中の方は、使用前に医師に相談することをお勧めします。

育毛剤はあくまでも補助的な役割であり、すべての人に同じように効果が現れるわけではありません。

自分の頭皮の状態や悩みに合わせて適切な製品を選び、総合的なヘアケアに取り組むことが大切です。

参考文献・参考サイト

Linus Pauling Institute, Oregon State University Niacin

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Office of Dietary Supplements, National Institutes of Health Niacin - Health Professional Fact Sheet

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厚生労働省「医薬部外品の効能効果の範囲

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PubMed Niacinamide Down-Regulates the Expression of DKK-1 and Protects Cells from Oxidative Stress in Cultured Human Dermal Papilla Cells

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Wiley Online Library Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier

Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology Nicotinamide: Mechanism of action and indications in dermatology

日本化粧品工業連合会「医薬部外品の成分表示に係る日本化粧品工業連合会の基本方針

一般財団法人 機械振興協会 技術研究所「化粧品・医薬部外品の輸入・販売マニュアル2024

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DermNet (New Zealand Dermatological Society) Nicotinamide

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PubMed Central Skin Changes and Safety Profile of Topical Products During Pregnancy 

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